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2010年3月

2010/03/23

西宮冷蔵、AVATAR、信楽、角田光代

春分の日を挟んだ3連休があまりにも濃密だったせいか火曜の朝は久しぶりに、自分は母と暮らす高校生、という設定の夢で目が覚めた。夢の内容自体は悪いものではないけど、そんな夢のあとはなんだかぐったりに似た気分になる。

●19日(金)
縁あって、とある小さな会社の集まりに参加する。
8年前、雪印という大企業の偽装牛肉事件を告発した倉庫の社長の経営する、あの西宮冷蔵だ。

去年たまたまテレビで再現ドラマを見たが、恥ずかしながら、告発事件以降社長や家族、会社がたどってきた苦難は、ちっとも知らなかった。正しいことをする、ただそれだけのことが、こんなに苦しいものでいいのだろうか。社長や家族や家族を苦しめる社会の一員である自分が申し訳ない。

そんわけで、Aと一緒に、身が引き締まりながら、緊張しながら参加させていただいた集まりだったのだが、和気藹々とした場だった。社員の方々だけでなく、支援者の方々も含めて、大きな家族のようなぬくもりがあった。とてもとても、よい時間を過ごさせていただいた。終電を逃して、徒歩と自転車で帰宅が2時過ぎになったのも全然惜しくないくらい。

●20日(土)
MOVIX尼崎が1000円デーということで、一人映画。今さらながらAVATAR。
さすが3D映画、映像の美しさや臨場感はうわさ通りだった。メガネが耳と眉間に違和感が。
ストーリー、うーん、よく本国アメリカでもメガヒットになったなぁ、って関心するくらい、アンチ米軍だった。
パンドラ星人も、まんまネイティブアメリカンやし、うーーん、わかりやすいといえばわかりやすいのだが。
★★★☆☆ってとこだった。

●21日(日)
ほんとは角田光代の講演会@中之島に参加する気マンマンだったのだが、抽選が外れてしまっていた。本当のお楽しみは翌日の対談@京都なので、倍率2倍で落選する運のなさは強引に忘れることとする。

お彼岸で実家にお墓参りに日帰りするTとJR草津線貴生川駅で別れ、信楽高原鉄道に乗り信楽へ一人。
3連休のまんなかの日曜だというのに、びっくりするくらい静かな町だ。ぽつんと寂しいくらいに。なにか間違えて一人罰ゲームでも受けてるみたいに。
しかしそれはそれで、なんともいえない落ち着いた雰囲気でよかった。
小雨の中ギャラリーを巡ったり窯を巡ったりしながらゆっくり散策していると、罰ゲームと思ったのが罰当たりなくらい、しっくりじわじわと気に入ってくる。
そう、陶器ってちっとも無機的なではなく、人の思いや手のぬくもりが感じられる、有機的なものだって、思い出した。

●22日(祝)
2006年4月以来、3度必ず参加してきた角田光代ワークショップ。
僕の一番好きな小説家が2日間、京都の小さなアートスペースshin-biで、小説に関するワークショップ(しかも飲み会が2度も)をするもので、1年半おきにshin-biという名の神様が与えてくださる夢のようなプレゼントみたいなイベントなのです。

今回は、京都在住の小説家いしいしんじとの1日限りの対談でした。Aと二人、最前列にかぶりつき。
この対談のために予習で読んでいたいしいさんの『ぶらんこ乗り』の話をはじめ、小説のこと、言葉のこと、年を重ねること、音楽のこと、脳みそがゆでるような濃密な2時間でした。
4年目の角田さん、「お久しぶり~」と向こうから声をかけていただけて、もう感極まりでございました。

帰りの電車では、最高に幸せな夢から醒めてしまったような、腑抜けな気分だった。「え、本当にもう終わっちゃったの?もう2度とあの幸福感に浸れないの?」
そういえば今読んでいる田辺聖子の小説の中に、あまりに最高な満足と極端の不機嫌は一緒のように見える、みたいな文章があったが、帰りの電車の顔はそんな境地だったのかもしれない。
自分と世間、現実と非現実の間に挟むもの、それが小説だと言ったいしいさんの言葉も印象的だった。

夢と現実の間にも、小説を挟んでいつもの毎日へ。


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2010/03/18

三寒四温

朝起きたら肌寒いなとシャツを重ね着し、午前中の畑仕事ではじんわりと汗をかき、午後は寒い雨にこごえた。
冬から春へと季節が衣替えのこの時期はまさに三寒四温、しかも一日の中でも冬と春を行ったり来たりで、心も体もどっちつかずだ。

星野道夫の『旅をする木』をひさしぶりに読んでいる。
何度読んでも初めて読んでいるかのように心にすーっと染み入る文章。
日本の都会で生活しているこの瞬間、アラスカの沖をクジラが潮を噴きながら悠々と泳いでいる姿を想像するだけで、なんとも豊かな気分になれるのか、そんな単純なことを教えてくれる。
アラスカの大自然に憧れを持ちながら、身の回りの小さな自然にも、同じような敬意を抱きたくなる。

そうそう、確かに春は着々と近づいているようで。
桜の木には抜けがけで咲いた一輪だけの花、スーパーにはいかなごのくぎ煮が並んでいた。菜の花もついでに買っておひたしに。

明日は三寒ではなくて、四温のほうになってほしい。
三寒四温で七日後は、三四回目の誕生日。

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