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2010/06/01

哀悼 親愛なるあなたへ

親愛なる「がちまや~」のママへ。

日曜日に梅田の沖縄物産展でばったりあったお店の常連さんから、去年の暮れにあなたが亡くなっていたことを聞きました。
それからというものふとした瞬間に、あなたのことを、大好きだったあなたのお店のことを、あなたとすごした楽しい時間を、ついつい思い出してしまうのです。

この6年間ほどで、いろいろな場所で会いましたね。

もちろん「がちまや~」には、常連というほどではないけどたくさん通いました。
友達と行くこともあれば、ふらっと一人で立ち寄ることも。スウェーデン人を連れて行ったことも覚えてますか?
沖縄料理屋なのに阪神タイガースの色が強くて、思えば僕が阪神ファンに傾倒していったのも、あなたのおかげです。
阪神が優勝した2005年は、「きっとお祭り騒ぎだ」と駆けつけたものです。

2008年には何度も「余ってるから行かへんか」と、甲子園のチケットを譲ってくれましたね。本当にうれしかったです。
試合が終わった後の甲子園の外で、ばったり出会ったこともありましたね。

阪神戦だけでなく、夏の高校野球で沖縄代表をアルプス席で応援する熱狂と楽しみも教えてくれました。
ここ数年、アルプス席でママが手配してくれたチケットで沖縄県人会の人たちの近くで一緒に応援することが、欠かせない夏の恒例行事になったのです。

そして道じゅねーエイサー。
園田に引っ越してきてかた2003年から、欠かすことなく観に行っている、一年で一番好きな祭り。
そこでも、裏方として働くあなたの姿を常に見てきました。

道端でばったり会うこともあるし、沖縄料理で出店した市民祭りや三線を弾いた水辺祭りでも会いましたね。
ある年の大晦日には、お店で一緒にカウントダウンをして新年を迎えました。
うちの作業所で作ったゴーヤを買い取ってもらうために、仕事帰りにゴーヤぶらさげて開店前のお店に何度かお邪魔しました。無理して買ってもらうこともあれば、「今日はたくさんあるから」とちゃんと断ってくれて、それはそれでうれしいものでした。

小さなお店の壁じゅうに張られたお客さんの笑顔の写真。カンカラ三線。阪神の選手の写真やサイン。ママ手作りの刺繍。隣りのお客さんといつでも親しくなれる雰囲気。

そんなふうに年を経るごとに顔をあわせる機会が増え、忙しい夏が過ぎ阪神シーズンが終わった秋が過ぎた2008年冬あたりからでしょうか、あなたと会うことがなくなったのは。
いつお店を覗いても、シャッターが閉まっている日々が続いたのでした。「事情があって沖縄に帰っています」という手書きの紙が張ってあった覚えがあります。
2、3ヶ月経って、さすがに心配になって向かいのお店に方に聞いてみて初めて知りました、長い間ママがシャッターを開けない理由を。

最後に(ああ、あれが最後だったのですね)あなたと会ったのは、やはり「ばったり」と、でしたね。
平日午後に仕事で市役所に行くと、そこにお姉さんと一緒に座るあなたがいました。
つい声をあげてしまいました、ごめんなさい。それは久しぶりに会えた嬉しさのためであり、病気と闘うあなたの姿が、これまで何年も知っていたあなたの姿とはだいぶ変わっていたからでした。
あなたは気付いていたでしょう、泣くべき時ではなかったのに、僕は必死に涙をこらえていました。
「元気になったら、また一緒に高校野球観に行きましょうよ」と無理して笑って手を握って別れた時、もちろんその時は本気で病気は絶対に治ると信じていたはずですが、心の片隅にちいさな覚悟があった気が、今振り返るとあるのです。

ママ、本当に、もうここには居ないのですね。
この世界は半年間、あなたなしで動いていたのを、僕は知らずにここに居たのですね。

春のセンバツで興南が優勝した時、阪神が巨人に大逆転で勝った時、鳩山首相が辺野古に基地を作ると決めた時、僕が笑ったり泣いたり怒ったり感動していた時、あなたはすでにここに居なかったのですね。
世界はなにも変わってないのに、世界からぽつぽつと色が抜け落ちていくようで、なんで僕に一言もなくそんなひどいことをするんだ!とついついあなたを責めてしまいたくなります。
ここに居ないあなたを責めても意味がなければ、じゃあどこに居るのか知らない神様を責めたらいいんですか?

心の整理がなんとなくつかないのは、ちゃんとあなたと最期のお別れをしていないからかもしれません。
僕はまだ、死というものとうまく対面するすべを知りません。
年を重ねるというのは、親愛なる人を失いながら生と死の折り合いを自分なりに見つけることなのでしょうかね。

たとえ今日のように阪神がサヨナラ負けでも、あなたは今日を生きたかったんですよね。
これから先は、あなたがいない世界を僕は生きていきます。
あなたが生きたくても生きられなかった一日一日を。
ずっと先の将来、いつかまた、「あの世」でばったりあなたに出会える気がします。
その時あなたに、たくさん楽しい報告ができるように、阪神にがんばってもらわないとね。その前に、お墓にもぜひ行かせてください、お姉さんか娘さんに場所を聞いておきますから。
それまでは、お互い元気で!

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