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2010/08/18

今年の夏も関東で家族めぐりの旅

関西の夏の厳しさに慣れたから、関東は意外と涼しいものだと勘違いしていたが、このお盆休みは例外的に涼しかった、ということらしい。
仕事が再開されてからのこの猛暑よ。体温よりも熱い空気を吸って仕事をしてて、身の危険をいよいよ感じ出すようになった。

先週のことなのに、だいぶ前のことのように思える関東旅。去年に引き続き、大変濃い旅と相成りました。

●11日
2年前の弟の結婚式で約20年ぶりに再会した小学校1~2年の担任だったM先生と、みなとみらいでランチをいただく。
家族のこと、さまざまな人間関係、仕事や将来への不安やなんやかや、生きていればぶつかりそして乗り越える壁。
そんな壁にぶつかり乗り越える前の、それはそれは純真だった(?)6~7歳の僕を2年間面倒みていただいたM先生と話をしていると、ふと自分が、まだこれから学ぶことがたくさんあるまっさらな一生徒に戻った気分になる。それは、とてもわくわくと希望に満ちた気分でもある。
M先生は、かつての教え子とこうして今でも会えることがとても幸せだとおっしゃっていたが、まるきり同じように、かつての先生に大人になって壁と格闘している今会えることが、僕にとっても大変幸せな時間でした。

夜はいつものAと、スウェーデン帰りの懐かしいMと合流。
Mが住むファンキーなアパートメントは、海外のしゃれたユースホステルを思い出させる、いろんな人種が入り乱れる不思議で、でも居心地のいい住空間。
密なルームシェアとは違って、個と公共のバランスを自分の都合にいいように取れそうな気がする。20代の頃なら猛烈に住みたかった場所だ。
初対面の住人交え、夜深く酒深く。。。

●12日
目指すは千葉県流山市。20数年会っていない父が暮らす町。伊豆の実家とも何年にもわたり音信不通になっており、去年ついに父の父(僕の祖父)が亡くなりお葬式をした後でやっと見つかったのだ。

旺盛な好奇心、どこへでもふらっと行ける身軽さ、しかし土壇場では臆病な性格。
これらが交じり合い、父が住むアパートを見つけたものの、閑散とした駅前広場やアパート周辺をとにかくうろつくこと数時間。ストーカーだ。
偶然会って声をかけられたら話をしてやってもいいけど、自分から姿を現すことはしたくない。きっとこのやっかいなプライドは父譲りなんだろう。

チラシがたまったポストやカーテンが閉め切られたベランダに転がるダンボール箱からは、そこに誰かが生活している空気が全然感じられず、きっと今も父は不在なのだろう。
諦めて帰るためだけに、その不在を最後の最後に確認するためにインターホンを押すと、「はい」と声がする。
20数年ぶりに聞く声は、60歳近い男のその声は、今の僕の声にあまりにもそっくりで、まるで将来の自分の声をインターホンから聞いているみたいだった。家族から逃げ仕事に失敗し生活保護を受けて暗く閉め切った部屋でぽつんと座る、将来の自分。
怯えた僕はもちろん、返事を返すことなく逃げるようにアパートを去った。

「なにやってるんだ、しっかりしろよ」と情けないしみったれた気分がしばらく抜けずにいた。
『どんな人生送ってきたか知らないが、こそこそ逃げずに清々堂々と生きろよ、僕の父なんだから』という気分と、『せっかくここまで来たのに、結局会うこともなく怖気づいて逃げやがって、情けない自分』という気分。
ああ、なんだか心残りのある、似たもの父子の壁越しの対面だった。
きっと違う形で会う日が来ることを信じて。でもそもそも今さら父に会いたいのか?それは疑問のまま。

夜は再びMのアパートにお世話になる。
住人ではないのにバースデイパーティに勝手に参加して、アメリカ人やオーストリア人や日本人とワインを飲んだくれて、晴れない一日の最後はぱーっと気が晴れた。
サンキュー、M!

●13日
去年と同様、弟や幼馴染のI一家とのバーベキュー。
しかも今年は、去年生まれた赤ちゃんが増え、さらにもう一人の弟とその相方さんまで!
結婚式以来の3兄弟そろい踏みの、なんとも感慨深い風景。
だって、30過ぎの男3兄弟がバーベキューで集まるなんて、しかもそのうちの長男ときたら、中学生からずっと母や兄弟と断絶しつづけたんだから、人生って不思議なものです。
家に父がいないのならば長男の自分がしっかりと頑張らなければ、という思春期入り口の空回りが大暴走をして自分も家族もずたずたにして、以来古傷のように残っている、「家族に迷惑をかけて申し訳ない」という罪の意識も、この頃はだいぶ少なくなってきた。
すっかりそれぞれ好き勝手なばらばら家族だけど、皆それぞれが幸せならばばらばらでもなんでもいい、心からそう思う。独身だろうと新婚だろうとバツ1だろうと、それぞれ幸せならば。

来年か再来年か10年後かは分からないけど、また会える日を楽しみにしています。
どうかその日が来るまで、これまで同様、あるいはこれまで以上に、ばらばらな3兄弟が、そしてその3兄弟を産み育てた金沢の母と、顔さえおぼろげにしか覚えいない流山の父でさえ、それぞれに幸せな日々を送っていますように。

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